スポーツフィッシング

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海釣り
海釣り
川釣り
川釣り(ワカサギ釣り)
モロッコ湖で釣りをする

釣り(つり)とは、釣り竿釣り糸釣り針などの道具を使って、魚介類などの生物を採捕する行為、方法(あるいはその道具)のことである。

目次

概説

釣りを動物の捕獲法として考えると、移動性の高い動物をおびき出したり、待ち伏せしたりして捕まえるの一種を用いた方法といえる。

釣りの主な対象は、湖沼などの水圏に生息する魚類である。この場合、釣りは漁撈)の一種として、陸上動物を捕獲すると区別される。そして、単に釣りといえば、魚釣りのことを指す場合が多い。また、釣りをおこなう場所によって区別して、海釣り川釣り磯釣りなどの呼称もある。

など場所ごと、そして狙う魚介類の種類などによって、様々な釣り方があるが、 魚釣りにおける最も典型的な手順は、以下のようなものと言えるだろう。

  1. 釣り針やそれに類した疑似餌ルアー毛針など)をつけ、釣り針には釣り糸をつないでおく。釣り糸は釣り竿の先端に結びつけられる。
  2. 魚の通りかかる場所に釣り針を垂らし、食いつくのを待つ。あるいは、集魚餌で魚を釣り針の付近におびき寄せる。
  3. 魚が食いつくと針が口やえらに引っかかる。
  4. このとき、釣り糸の反対側につながれた釣り竿をうまく使って魚を手元に引き寄せ捕獲する。

ただし、上記はあくまでひとつの典型例であって、実際の魚釣りの手法には、上記以外にも、対象とする魚類の種類や生態によって、実に豊富なバリエーションがある。例えば、釣り竿を使わない手釣り(ワカサギ釣り、カッタクリ釣りなど)や、釣り針を使わない釣り(ザリガニ釣りなど)もある。そして、餌やそれにあたるものを使わず、直接に対象を引っ掛けて吊り上げる方法もある。

なお、マグロ漁業で行われるはえなわ漁も釣りの一種とされる。

遊漁と釣り

漁業は英語圏では Fishery と総称されるが、その中で生業としての産業商業としての漁のことをコマーシャルフィッシング (Commercial fishing) という。それとは対照的に、こうした漁業従事者(いわゆる漁師)以外の人にとっての漁は、一般に財を得ることを目的とするものではなく、娯楽趣味、あるいはスポーツとして理解されている。こういった娯楽性の釣りを遊漁といい、英語圏ではスポーツフィッシング (Sport fishing) と称される。

この遊漁を行う者のことを遊漁者と呼ぶ。一般に、乱獲の防止や漁場保全のために漁網の使用などが制限されているため、遊漁者が行える漁法は、ほとんど釣り漁に限られている。

このように魚釣りを娯楽・趣味とする歴史が江戸期以来続いていることから、今日においても「釣り」という言葉を遊漁の意味で用いることが多いが、『ブラックバス問題』で世間の耳目を集めたように、好事家の趣味であった遊漁としての釣りも、現在では一大産業となっている。釣具メーカーはトッププロ(フィールド・テスターと呼ばれる)と提携し、マスコミを通しての商品のPRにつとめている。尚、日本メーカーの釣具は釣り人の利便性、機能性の要請に答えた世界トップクラスの水準である。

遊漁の対象魚

食用になる魚を対象魚とする場合もあれば、魚釣りの過程を楽しむための遊漁もあり、後者の場合には、その場で釣った魚を再放流すること(キャッチアンドリリース)が行われる場合もある。バスフィッシングヘラブナ釣りがそれである。

遊漁産業の発展

娯楽、趣味としての釣りの浸透に伴って、よく魚の釣れる場所、釣り場には釣り客が訪れ、周辺の地域に経済効果がもたらされるようになっている。これには釣り専門誌や釣り番組など、さまざまな釣りメディアの影響も小さくはない。

近年は遊漁者を乗船させて釣り場に案内する遊漁船業も拡大している。なお、1988年遊漁船海上自衛隊潜水艦「なだしお」の衝突事故が発生したため、「遊漁船業の適正化に関する法律」が議員立法により成立している。

現在は上記のような天然の釣り場の他、沼や川を区画した上で魚を放し、客が料金を払って釣りを行う釣り堀が各地にある。また、特に湖や川などで釣りの対象魚を放流して、安定して釣りが楽しめるようにすることなども行われる。しかし放流された釣りの対象魚が、自然には棲息しない外来種であったりすると、それが水系の生態系を崩し、固有種の魚が絶滅に瀕する問題を引き起こしている場所もある。

釣りの歴史

生業としての釣りは食料を獲得する一手段として古くから行われている。日本では、石器時代の遺跡からも骨角器の釣針が見つかる。

釣りは、江戸時代ごろから趣味としても行われるようになった。

釣りの対象の一例

海釣り

淡水の釣り

釣りの道具

浮き
疑似餌。フライ毛鉤)・フライフィッシングに用いる
疑似餌
ルアー
フライ
浮き(沈子)
浮き止め
オモリ
ガン玉
天秤 (釣り具)
釣り針
釣り糸
道糸
鉤素(はりす)

遊漁に対する規制

遊漁者に対する規制は各都道府県の漁業調整規則により規定されている。また、内水面(湖沼・河川)で第五種共同漁業権が設定されている場合、遊漁規則が設定されている場合がある。また、海区漁業調整委員会および内水面漁業調整委員会による委員会指示が発動されている場合もある。遊漁者が使える漁具は、一般に一本釣りの釣り道具、小型のたも網のみである。引っ掛け釣りについては判例上、釣りの範囲に入らない。[要出典]

釣りによる問題

遊漁人口の増加と産業化によって様々な問題も発生しているが、多くが遊漁者のモラルによって改善されるものが多い。

釣りにより発生するゴミ

河川湖沼など淡水魚の生息する地域は野鳥にとって重要な食糧供給地域でもある。これらの場所において放置されたテグスや針付きのテグスなどは野鳥の生命を脅かす状況にあり、定期的にゴミとして大量に回収されている。また、疑似餌(特にワームと呼ばれるもの)による化学的な汚染や、撒き餌などによる水質汚濁も懸念されている。釣りのでも同様で、波止釣り埠頭でのゴミ放置も問題化している。

外来種の繁殖

オオクチバスコクチバスブルーギルなどの日本国内に天然では存在しない魚類が全国的に内水面で繁殖している事例があり、在来種、特に日本の固有種や希少種に対する影響が懸念されている。一度釣り上げた外来魚を再び放流すること(いわゆる「キャッチ・アンド・リリース」)を条例で禁止している地域(秋田県新潟県滋賀県琵琶湖など)がある。また、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)により、ブルーギルブラックバスヨーロピアンパーチなどは放流を禁止されている。もっとも同法は、釣り上げたその場で再放流する態様のキャッチ・アンド・リリースについては規制をしていない。

なお、釣りの対象とされる外来種であり、在来種に影響を与える魚種でありながら、在来種と誤解されているものとして、ニジマス、一部の湖におけるワカサギなどがある。

釣りに関連する逸話

太公望

の文王が太公望を見出したとき、太公望は渭水のほとりで釣りをしていた。もっとも、太公望は文王の目にとまるために釣りをしているふりをしていただけで、実は餌も釣り針もつけておらず(釣り針が直針だったという話もある)、更に水面から三寸上に離れていたという。しかしこの故事から、日本では釣り人のことを太公望とも言うようになった(中国では釣りが下手な人を指すとのこと)。

海幸彦と山幸彦

古事記には、海幸彦(火照命)と山幸彦(火遠理命)の話が載っている(山幸彦と海幸彦)。海幸彦と山幸彦の兄弟は、ある日自分たちの道具を交換し、海幸彦が山に狩に行き、山幸彦が海に釣りに出かけることにした。ところが山幸彦は何も釣れなかったばかりか釣り針までなくしてしまう。海幸彦は怒り、山幸彦が佩刀の十拳剣をつぶして五百の釣針を作ってあげても、許しをあたえようとはしなかった。

中国のことわざ

1時間幸せになりたいなら、を飲みなさい。
3日間幸せになりたいなら、結婚しなさい。
1週間幸せになりたいなら、を飼いなさい。
一生幸せになりたいなら、釣りをしなさい。

比喩的な利用

漁法における釣りの語義から、目的とする対象を待ち受けることによって、または何らかの誘因となる物を仕掛けて誘導することによって、対象との接触を成功させようとする方法のことを、釣りという俗用がある。

陸釣り(おかづり)とは、現在では陸上の水域での釣りの意味で用いられることも多いが、元来は用語(くるわことば)であった由。ナンパの意味でも使われる。フィッシング (詐欺)などもその例である。インターネット掲示板で議論を盛り上げるために他人が憤りそうな話題をわざと出すのを「釣り」という例もある。逆に、発言自体は釣りではないのに、「釣り」のレッテルを貼って、その発言を無効化させる用法もある。

微生物の分離法にも釣り餌法がある。

関連団体

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

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