 この項目では動物について記述しています。遊離軟骨の俗称については 軟骨を、漢字の部首については 鼠部を、落語の演目については ねずみ (落語)をご覧ください。
ねずみはこの項目へ 転送されています。かつて ねずみという芸名だった声優については 松田佑貴をご覧ください。
ネズミ(鼠)とは、ネズミ目(齧歯目)ネズミ上科に属する哺乳動物の総称である。ハツカネズミ、ドブネズミなど、1,000種以上が含まれる一大グループを形成している。
形態および生態
ネズミのほとんどが夜行性で、よく人間が寝ている間に人間の食料などを食べたりするので、寝盗み(寝ている間にこっそりと人間の食料を盗む)が転じてネズミという名がついたといわれる。また、ネズミは齧歯類に特徴的な一生伸び続ける門歯をもつため、常に何か硬いものをかじって前歯をすり減らす習性がある。もし硬いものをかじらないまま放置しておくと、伸びた前歯が口をふさぐような形になり食べ物が口に入らなくなってしまい餓死してしまう。
繁殖力が旺盛であり、世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ネズミ上科のほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、よく似た外観上の特徴をもち、外観から種を見分けることは難しい。このため、頭骨や歯によって識別がなされている。
ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6~8匹生むことが出来、わずか3~4週間程度で性成熟し子供が産めるようになる。
分類
ネズミ上科はネズミ目ネズミ亜目ネズミ下目である。
ネズミ上科以外の「○○ネズミ」
ネズミ上科以外にも「○○ネズミ」と呼ばれるネズミ目の動物は多く、広義にはこれらをネズミに含めることもある。
ただし、以下の亜目・下目・上科の分類には異説もある。
ネズミ目以外の「○○ネズミ」
これらは、ネズミではない。
人間との関わり
歴史的には
- アリストテレスの『博物誌』では、ネズミの繁殖力の強さは説明できない問題であること、農作物に害をなすことが述べられている。またネズミは塩を舐めているだけで、交尾をしなくても受胎するという俗説が紹介されている。
- 中世のヨーロッパでは、ネズミは不吉な象徴であり悪魔や魔女の使いとみなされた。ペストなどの伝染病を運んでくると考えられていた(実際、ペストの媒介動物である)。
- 日本には、一部の地区でネズミは大黒天の使いであるとするネズミ信仰がある。正月などに家内安全、五穀豊穣を祈り、ネズミの通り道に餅などを供える風習がある。
歴史的には上記のような人間との関わりがあるが、現代社会においてはネズミの仲間の中にはハムスターのようにペットとして飼育されたり、ハツカネズミなどのように実験動物として人間に貢献している種類もある。
また、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種はイエネズミと呼ばれ、人間社会にとってもっとも身近なネズミである。病原体を媒介したり樹木や建物、電気機器などの内部や通信ケーブルなどをかじったりして人間に直接・間接の害を与える衛生害獣であり、駆除の対象となっている。
にも関わらず、ネズミはイヌやネコと並んで、物語や漫画、ゲーム、アニメなどの動物キャラとして登場することが多い。これはネズミが人間生活と非常に馴染み深いことと関係があると思われる。また小さな体格でチョロチョロと動き回る所から可愛らしいイメージで見られており、キャラクター化しやすいことも考えられる(他に現実とのギャップが激しい動物では、本来獰猛で、時に害獣でもあるクマなどが挙げられる)。ただし、愛すべき動物キャラとしてのネズミは、主にハツカネズミなど小型のネズミ(英語名はMouse)であり、クマネズミ・ドブネズミなどの大型のネズミ(英語名はRat)は、愛すべき動物キャラとされることは少ない(英語圏では裏切り者のイメージすら持つ。)。
なお、愛すべき動物キャラとしてのネズミは(擬人化された場合を含む)、実際より耳が大きく表現されることが多い。
ネズミの駆除方法
代表的なものに以下のものがある。
- 粘着シート(「ごきぶりホイホイ」の大型版)をネズミの通り道と思われるところに仕掛ける。
- 内部に餌をセットした「ネズミ獲り」(かご型の捕獲器、わな、トラップ)を仕掛ける。
- 毒餌(殺鼠剤、猫いらず。主成分は黄リンやタリウム塩で猛毒だったが、現在は低毒性のクマリン系のものが使用されている)を置いて食べさせる。ただし、最近では毒の耐性を持った(スーパーラット)クマネズミも報告されている。
- ネコをペットとして飼育する(ただし、最近ではネコがキャットフードで飼われるため、ネズミの味を忘れてしまい追わなくなったともされる)。
- ネズミに害を与えるという電磁波や超音波の放射装置を取り付ける(最近の実証実験では効果無しと言われている)。
- 動物の嫌う煙(蚊取線香など)や刺激臭(ハッカ臭など)を充満させる。ただし、天井裏や床下などの狭く換気の悪い空間でないと難しい。
- 出入口をふさぐ。ネズミは1センチの隙間があれば通過可能と言われる。
物語に出てくるネズミ
ネズミにまつわる言葉・慣用句
- 大山鳴動して鼠一匹 - 大騒ぎをしたにも関わらず、大した収穫が得られないこと。
- 窮鼠猫を噛む - 追い詰められた弱者が、強者に対し必死に反撃すること。
- ねずみ算(鼠の子算用) - ネズミが等比級数的に急激に繁殖することから、和算で等比級数の計算のことを指す。
- ネズミ講 - ねずみ算的に会員を増やすことで利益を分配する無限連鎖講のこと。法律で禁じられている。連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)とは違う。
- 頭の黒い鼠 - 他人の私財を略奪するような悪人のこと。
- ただの鼠ではない - 気を許すことができないということ。「鼠=とるに足らないもの」という考えが下地にある。
- 鼠の尾まで錐の鞘 - どんな下らないものでも役に立つということ。
- 鼠が塩をひく - 取るに足らない些細なことであっても、放っておくといずれ重大な事態を招くということ。
- 家に鼠、国に盗人 - どんな世界でも害毒となる存在は必ずいるということ。
- 鼠に引かれる - 家にポツンと孤独でいる状態のこと。
- 袋の鼠 - 追い詰められて逃げることができない状態のこと。
- 二鼠藤を噛む - 現世は無常で、刻々と死地に近付くこと。
- 首鼠両端を持す - どちらにすべきか心を決めかねていること。
- 城孤社鼠 - 取り除きたくても簡単にできない、権力者の陰に隠れている悪者のこと。君側にある奸臣。
- 鼠壁を忘る壁鼠を忘れず - 被害者が被害に対する恨みを永く忘れられないでいること。
- 鼠窃狗盗 - こそ泥のこと。
その他
- ねずみは、十二支のひとつ。子を参照。
- ネズミ、ネズミ捕り - 検問の俗称
- 英語では、ハツカネズミなどの小型のネズミをマウス(Mouse、複数形はMice)、ドブネズミなどの大型のネズミをラット(Rat)と呼び分けており、日本語の「ネズミ」にそのまま相当する単語は存在しない。
- 和文通話表で、「ね」を送る際に「ネズミのネ」という。
- ドラえもんがネズミ型ロボットに自分の耳朶をかじられ失ったことにより、ねずみ嫌いとなったのは有名。
- 野球で「ネズミ」といえば、主に投手の利き腕の肘にできた遊離軟骨のことである。
- 鼠王国、鼠園、鼠御殿 - 東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーリゾート(TDR)をさす俗語。
- 太平洋戦争、ベトナム戦争において一部の米兵が「ネズミ駆除業者」とヘルメットに書き綴っていたという。
- 韓国語ではネズミはチゥィ。チゥィセッキは悪口で「ネズミ野郎」の意味で、とるに足らぬ小者ということ。隠語では鳴き声がうるさいことからおしゃべりな人、生殖器が小さいことから「男根の小さい人」にも例えられる。
- ネズミの大好物は一般的にチーズと定着しているが、実際それには根拠がなく、実際にネズミはチーズを食べない。ネズミ=チーズが好きという概念はおそらくトムとジェリーに登場するネズミ、ジェリーの大好物がチーズだという所から定着し出したと思われる。
関連項目
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