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債権(さいけん)とは、ある者(債権者)が特定の相手方(債務者)に対して一定の行為(給付)をするよう要求できる権利をいう。債務者の側から見た場合は債務(さいむ)と表記され、一定の行為を義務づけられる。 冒頭に述べたような債権の概念そのものはローマ法に由来する。日本においては明治期においてヨーロッパ法(特にドイツ法、フランス法)を継受した際にローマ法由来の債権概念が導入され、現在の解釈学においてもその影響は強い。なお、導入当初においては債権は「人権」と表記されていた。 現在の日本の民法においては、民法第3編債権において、その発生原因として、契約、事務管理、不当利得及び不法行為の4つを規定している。 当事者間の合意により発生する債権を約定債権といい、契約による債権がこれに属する。一方、法律の規定によって生じる債権を法定債権といい、事務管理、不当利得、不法行為による債権がこれに属する。
債権の特質債権は物権と同じ財産権ではあるが、以下の点で物権とは異なる。
債権の目的債権の目的を給付という。債権の目的については第3編第1章総則第1節で規定されており、具体的には以下のようなものがある。 特定物債権特定物債権(とくていぶつさいけん)とは、物の個性を重視した特定物の給付を内容とする債権をいう。例えば土地の引渡し債務や中古品の引渡し債務などである。
種類債権種類債権(しゅるいさいけん)とは、目的物(不特定物)を種類と数量だけで指示した債権をいう。
制限種類債権制限種類債権(せいげんしゅるいさいけん)とは、目的物の範囲に限定のある種類債権をいう。例えば特定タンク内のタール5000トンのうち2000トンの引渡債務などである。この場合に特定タンク内のタールの全てが滅失すれば履行不能となる点で通常の種類債権と異なる。その他は種類債権に準じる。 金銭債権金銭債権(きんせんさいけん)とは、一定額の金銭の支払を目的とする債権をいう。代金債権、貸金債権等、実際の取引における大部分の債権(金額債権)である。なお、特殊な金銭債権として金種債権と呼ばれるものがあり、これには特定の種類の金銭の一定量の給付を目的とする相対的金種債権と、骨董的あるいは記念的な貨幣の給付を目的とする絶対的金種債権があり、いずれも通常の金銭債権(金額債権)とは法的な扱いが異なる(金銭債権の項目参照)。
利息債権選択債権選択債権(せんたくさいけん)とは、数個の給付の中から選択によって定まる債権をいい、その選択権は、債務者に属する(406条)。 債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択をしないときは、その選択権は、相手方に移転する(408条)。
債権の効力債権の効力債権には一般に以下のような効力があるとされる。
このほか以下のような概念も用いられる。
債権者代位権と詐害行為取消権債務者の責任財産を保全するため、民法は債権者代位権と詐害行為取消権を認めた。第3編第1章総則第2節で規定された制度である。 第三者による債権侵害多数当事者の債権及び債務第3編第1章総則第3節で規定される。
分割された債権や債務は相互に独立したものと扱われる。また、債権者や債務者の1人に生じた事由は他の債権者や債務者に影響しない。 なお、連帯債権についての規定は必要性が貧しいとして設けられていない。 債権の譲渡歴史的には、債権譲渡(債権者の変更)は債権の本質に反するという考え方も根強く存在していたものの、近代以降においては、債権譲渡自由の原則が強調されるようになった。日本においても、債権の自由譲渡を認めない慣例が存在したとされ、当初は債権譲渡自由の原則に対する抵抗が強かったものの(民法典論争)、特約により譲渡性を排除できる規定を設けるという形で妥協がなされ、現在に受け継がれている。 現在の日本民法においては、第3編第1章総則第4節で規定される。 詳細は債権譲渡を参照 債権の消滅第3編第1章総則第5節で規定される。
用語
関連項目参考文献
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