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神武天皇即位紀元(じんむてんのうそくいきげん)は、初代天皇の神武天皇の即位を元年(紀元)とする日本の紀年法である。 通称は皇紀(こうき)と言い、他に皇暦(こうれき)、神武暦(じんむれき)、神武紀元(じんむきげん)などともいう。単に紀元とも略された。年数の英字表記では、KokiをHeiseiなどと同様に使い、皇紀2600年を Koki 2600 などと書く。
概略神武天皇即位紀元は西暦(グレゴリオ暦)よりも660年大きな値となる。このずれは年により変わることは無く一定である。例えば西暦2000年は、神武天皇即位紀元(皇紀)2660年となる。 明治から昭和20年の終戦までは元号と共に神武天皇即位紀元がよく使用されていた。現在では公の暦で神武天皇即位紀元をみることはほとんどないが、公式に廃止されたわけではない。現在でも、法令上は元号とグレゴリオ暦と共に神武天皇即位紀元が使用されており、例えば閏年の置き方はグレゴリオ暦ではなく神武天皇即位紀元を元に決められている(明治31年5月10日勅令第90号)。その他にも、日本史や日本文学などの愛好家、神道(国家神道)の関係者、全日本居合道連盟などが使用している。 アメリカ中央情報局のWebページにある"The World Factbook"(各国要覧)の日本の項目には、"Independence: 660 BC (traditional founding by Emperor JIMMU)"とされている。 ただし、神武天皇はその存在の実証が困難であり、また古墳の出現年代などから考古学上はヤマト王権の成立は西暦紀元後2世紀前後であるとされているため、神武天皇が西暦紀元前660年に即位したことが事実であるとは考えられていない。考古学的には、この時期は弥生時代前期にあたるが、古くは縄文時代晩期とされていた。 なお、1938年(昭和13年)から挙行された紀元2600年記念事業に伴い、末永雅雄の指揮による橿原神宮外苑の発掘調査が行われ、その地下から縄文時代後期~晩期の大集落跡と橿の巨木が立ち木のまま十六平方メートルにも根を広げて埋まっていたのを発見した。鹿沼景揚氏(東京学芸大学名誉教授)が記したところによると、これを全部アメリカのミシガン大学に持ち込み、炭素14による年代測定をすると、当時から2600年前のものであり、その前後の誤差は±200年ということであった。このことから記紀の神武伝承にはなんらかの史実の反映があるとする説もある。[1][2][3][4] 制定明治5年旧暦11月15日(当時の日本の暦は太陰太陽暦の天保暦で、太陽暦のグレゴリオ暦だと1872年12月15日)の太政官布告第342号により定められたもので、明治6年(1873年)1月1日の日本における太陽暦採用と同時に施行された。
紀元前660年となった根拠干支は60年の周期で単純に繰り返すので簡易に計算できる。そのため神武天皇の即位年の「辛酉年」は日本書紀の編年から遡ると紀元前660年に相当することになる。 明治時代に歴史学者那珂通世が、日本書紀はその紀年を立てるにあたって中国の前漢から後漢に流行した讖緯説(しんいせつ)を採用しており、推古天皇が斑鳩に都を置いた西暦601年(辛酉年)から逆算して1260年遡った紀元前660年(辛酉年)を、大革命である神武天皇即位の年として起点設定したとの説を立てた[7]。これは隋の煬帝により禁圧されて散逸した讖緯説の書(緯書)の逸文である『易緯』の鄭玄の注に、干支が一周する60年を1元(げん)といい、21元を1蔀(ぼう)として算出される1260年(=60×21)の辛酉(しんゆう)年に、国家的革命(王朝交代)が行われる(辛酉革命)という事に因む。
戦時下における紀元2600年紀元二千六百年記念行事を参照 ちなみに一般にゼロ戦としてよく知られている大日本帝国海軍の「零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)」は、この年に採用された事に因んだ名称である(兵器の制式名の数字は皇紀の下二桁によっていたから)。大日本帝国陸軍の場合、同年制式採用兵器の数字は百式重爆撃機、一〇〇式司令部偵察機、一〇〇式輸送機など海軍と異なり零ではなく百(一〇〇)としている。 皇紀と安田生命保険安田生命保険(今の明治安田生命保険)は1970年代に個人情報管理のシステムを構築することになった。その際システムの担当者は、20数年後に生じるであろう2000年問題を予測していた。そこで、年号の下2桁にグレゴリオ暦や元号ではなく神武暦(グレゴリオ暦-40年)を使用した。そのことにより、安田生命保険は2000年問題を40年先送りした。 類似の紀元日本の「皇紀」以外にも、西暦やイスラーム暦と異なる独自の紀元を立てたり、あるいは古くからあったものを西暦にかえて使った事例がある。以下はその例。しかしいずれも使用された期間は短く現在では使われていないものが多い。
参考文献脚注関連項目外部リンク |
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