青魚

Article on other languages:

del.icio.us del.icio.us
Digg Digg
Furl Furl
Reddit Reddit
Rojo Rojo
Add to OnlyWire
大西洋産サバの一種

青魚(あおざかな、あおうお)とは、食用魚のうちイワシ類・サバ類・サンマなどの、いわゆる「背の青い魚」の総称である。「青背の魚」「青物」とも言う。

目次

特徴

主に外観や肉質から見た便宜上・実用上の概念であり、分類学上のまとまった集団ではない。例えば、マイワシニシン目ニシン科、サンマダツ目サンマ科、マアジスズキ目アジ科、サバ類はスズキ目サバ科にそれぞれ属し、互いの間に直接の類縁関係はない。共通する特徴としては以下のようなものがあげられる。

  • ほぼ例外なく海産である。(ただしニシンの一部などには湖沼産のものもある。)
  • 多くの場合表層近くを群れで遊泳し、大規模な回遊を行う種も多い。
  • 比較的食物連鎖の下位に位置する種が多く、プランクトンなどを主な餌とする。
  • 名前の通り、背中が青または黒で腹側が白い体色を持つものが多い。これは、表層近くを遊泳する魚種に広く見られる保護色の一種である。

※以上のような生態上の共通点は、以下に示す利用上の共通点と関連している。つまり「青魚」とは収斂進化の結果生じた一種の多系統群とも言える。

  • 筋肉は遊泳に適した赤身で、ヒスチジンなどが多く含まれ、鮮度の低下が早い。
  • 含まれる脂質はエイコサペンタエン酸ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸の比率が高く、血中の悪玉コレステロールを減少させるなどの効果があると言われる一方で、酸敗しやすく品質の劣化(いわゆる「油焼け」)を起こしやすい。
  • 比較的小型で大量に漁獲され単価の安い、いわゆる大衆魚を指すことが多い。肉質や外観が似ていても、マグロなどの大型魚や高級魚は、あまり「青魚」とは呼ばれない傾向がある。

上記のような共通の性質があるため、利用法も共通する部分が多いが、詳細は関連項目および各魚種についての項目を参照のこと。

「青魚」とされる主な魚種

魚種交替

これら青魚に関して、農学博士河井智康により、全盛の魚種が減り、別の魚種が台頭するという「魚種交替説」が唱えられている。

魚食性プランクトンが大量発生すると、その時の主役となっている魚の小魚が大量に捕食され、次の主役となるべき魚種が大量に繁殖する。というのが概要である。
後述のプロジェクトの過程で、魚種交替にスルメイカを加える見解も出ている。

日本近海

  • マイワシ→マアジ→マサバ(日本海
  • マイワシ→サンマ→マサバ(太平洋

外国

  • カタクチイワシ→マイワシ(南米沖)
  • ニシン→サバ→イワシ(北海

1994年から三年間かけて、2050年までの魚種交替劇の予測プロジェクトが行われ、その正式レポートは「魚種交替の長期予測研究報告書」として水産庁で印刷されている。

魚種交代

魚種交替説は、河井以外の研究者(平本紀久雄など)において詳細が異なっても、プランクトン食性の青魚及びスルメイカのみにおいて生じる現象とされるが、小松正之の『これから食えなくなる魚』(幻冬舎新書)57頁には、プランクトン食性の青魚以外のカツオなどの大型魚も共に増減する魚種交代説が掲載されている。この魚種交代説は既存の魚種交替説とあらゆる点で異なるが、その理由については不明である。

その他

  • 英語にも、本項目に似た意味を持つbluefishという言葉がある。ただしこの言葉は、日本では通常「青魚」に含まないスケトウダラなども含む上、スズキ目ムツ科の科名や同科に属する特定の種Pomatomus saltatrixの呼称として使われることも多いので注意を要する。

関連項目

参考文献

  • 上野輝彌・坂本一男『魚の分類の図鑑』東海大学出版会、1999年、ISBN 4-486-01497-9
  • 多紀保彦・奥谷喬司・近江卓『食材魚貝大百科 3』平凡社、2000年、ISBN 4-582-54573-4
  • 中坊徹治編『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』東海大学出版会、2001年、ISBN 4-486-0105-3。
  • 松田徳一郎編『リーダーズ英和辞典 第2版』研究社、1999年、ISBN 4-7674-1431-8
  • 河井智康『消えたイワシからの暗号』三五館、1999年、ISBN 4-8832-0177-5
  • 平本紀久雄『イワシの自然誌』中央公論社、1997年、ISBN 4-1210-1310-7
  • Nelson, Joseph S., Fishes of the World 3rd edition, New York: John Wiley & Sons INC., 1994, ISBN 0-471-54713-1.
  • Frimodt, C. and I. Dore, Multilingual Illustrated Guide to the World's Commercial Warmwater Fish, Fishing News Books Ltd, 1995, ISBN 978-0852382141.

This article is from Wikipedia. All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.