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麻薬(まやく。元の用字は痲薬)とは、
この項では1~3に該当する薬物を説明する。 海外では麻薬をドラッグと呼称されている。 依存性や毒性の強いアヘンやコカイン、覚せい剤等の麻薬は世界的に使用が厳しく規制されている。違法麻薬の流通によって引き起こされる社会治安崩壊を阻止する為に、国家と警察による厳しい取り締まりが行われている。その為に集団犯罪組織が国家を通さずに違法麻薬を利用した栽培・製造・密輸・密売が横行し、集団犯罪組織であるテロ支援国家、暴力団、ギャング、マフィア、テロリストなどの重要な資金源になっている。取り締まりにより需給バランスが崩れていること、流通が地下に潜伏していることから末端価格は原価に比べてきわめて高い。
濫用による症状種類により症状は様々であるが、多くの場合薬物依存症に苦しむこととなる。また薬物の作用による幻覚状態や譫妄・錯乱状態あるいは薬物を購入するための資金を得るために自殺をしたり殺人のような犯罪を引き起こすことも珍しくない。
また、麻薬の乱用により精神的・身体的の両面で障害を引き起こす場合がある。 法規制
法運用の限界現在、違法麻薬に指定されている化学物質と化学式が非常に良く似ているが違法麻薬には指定されていない薬物(デザイナーズ・ドラッグ)を意図的に作り出したり、向精神薬取締法で購入が規制されている向精神薬を精神病治療と偽って入手した精神治療薬が密売され、麻薬的に使用される(違法ドラッグ・脱法ドラッグなどと呼ばれる)という現象が社会問題となっている。 たばこやアルコール飲料については薬理学としては中毒性物質ではあるが、ニコチン依存症やアルコール依存症・急性アルコール中毒という習慣性・常用・乱用に発展するという点が麻薬と酷似している。 一方、国も麻薬及び向精神薬取締法に基づき、政令により麻薬指定を進めてはいるものの[1]、指定が化学物質名であることから指定が後手後手になりがちである。 また作用が似ていても化学的構造が少しでも異なれば違法麻薬として法で取り締まることは出来ず、仮にそれらを違法麻薬に指定しても次々と新しい物質が作られるという「いたちごっこ」が続いている。しかし化学的構造や作用が違法麻薬に似ているのであれば、法的には違法麻薬でなくとも危険性は違法麻薬に準じるものと考えられ、実際に健康被害や死亡例の報告もある。 国や自治体により、生体物質に対して麻薬作用を起こす化学物質の薬物を特定し、それらと似た化学物質と化学式を持つ薬物を一括して違法麻薬として指定するなどの法対策が考えられているが、いまだ解決には至っていない。 刑罰麻薬の乱用により犯罪が誘発されることからほとんどの国では治安維持のために法規制されており許可無く製造・所持・使用すると刑罰が科される。中華人民共和国、シンガポール、マレーシアのように東アジア諸国には死刑を科す国も存在する。[2]。受刑者移送条約の非締結国で罪を犯した場合、日本より重罪な刑期をむかえることになる。 しかし、麻薬常習者に対して単に刑罰を科しただけでは薬物依存症から抜け出せないため、薬物依存治療で精神科に入院したり、刑法違反の累犯で刑務所に収監される人が後を絶たない。 このため、「薬物依存者には刑罰よりも治療が必要だ」とする意見も多く、オランダのように大麻について刑法上は違法となっているが所持・摂取に対しては刑を執行しない事例も見られる。また、日本では医療刑務所に収監するケースも見られる。 文化と麻薬ヒッピームーブメント2の定義に該当する麻薬LSDは、1960年代後半に欧米を中心に爆発的に広まり、ヒッピームーブメントを生みだした。音楽、文学、映画、絵画などに大きな影響を与え、ベトナム反戦運動や精神世界、エコロジーなどへの関心を集めた。中心人物として、元ハーバード大学教授のティモシー・リアリーや、『カッコーの巣の上で』を書いたケン・キージーなどがあげられる。 シャーマニズム人類と向精神性作用のある植物との関係は遥か昔まで遡ることができる。世界各地にみられるシャーマニズムの儀式では、夜間に少人数で集まり、明かりのない小屋の中や野外でたき火を囲み、幻覚性植物を摂取する。シャーマンは歌を歌いドラムを叩いたりしながら、病気の治療をしたり、神や精霊と交信し神託を得たり予言をしたりする。メキシコ、マサテク族のマジックマッシュルーム、ネイティブアメリカンの幻覚性サボテンペヨーテ、アンデス地方のサンペドロ・サボテン、アマゾンのアヤワスカや西アフリカのイボガ、シベリアのベニテングタケなどがある。中世ヨーロッパや古代インドでは、せん妄性の植物ベラドンナやダチュラが儀式的に使用されていた。 宗教幻覚性植物を聖なる植物とし、信仰の対象にしている宗教もある。米国ネイティブアメリカンチャーチのペヨーテや、ブラジルのアヤワスカを使うキリスト教系教会、ジャマイカのラスタファリズムにおける大麻、西アフリカ、ガボンのブウィティ教、瞑想のために大麻樹脂を吸うシバ派のヒンドゥー教修行者などがある。宗教儀式における幻覚性植物の使用は、コミュニティ内の連帯を高める役割もはたしている。 少数民族コロンビアやペルー、ボリビアに住むインディオや労働者は、コカインの原料であるコカの葉を興奮剤として日常的に噛んだり、お茶にして飲んでいる。東南アジア、東アフリカ、中東においても、興奮作用のある植物を嗜好品として摂取する習慣がある。ケシ栽培をするタイ北部やラオスに住む少数民族の中には、あへん中毒に陥っている者も少なくない。 その他黄金の三角地帯アヘン(阿片)の原料であるケシ(芥子)がタイ・ラオス・ミャンマーの山岳地帯で多く栽培されていることから、この地域は「ゴールデントライアングル(黄金の三角地帯)」と言われている。 ケシ日本では麻薬の原料となりうる特定種のケシの栽培については、医薬品の原材料(総合感冒薬や鎮痛剤の成分である)とするため厚生労働省の委託を受けた特定農家での栽培、ならびに都立薬用植物園(東京都小平市)での展示目的の栽培以外は違法である(市販されている観賞用のヒナゲシは麻薬成分を産生しない種類である)。 アヘン戦争アヘン戦争は清の林則徐がイギリスのアヘン密輸を禁じ、アヘンを没収し、廃棄処分したことを口実に起こされた戦争。1840年より二年間。 国家産業やマフィアの資金獲得コロンビアで1970年代後半から、アメリカ向けに密輸するコカイン栽培が急増した。アメリカで1960年代後半からコカイン摂取がブームになったことがきっかけだった。コロンビアでコカイン生産を行ったのは、アンデス山中の大都市で動いていた犯罪組織メデジン・カルテルだった。その後犯罪組織はコロンビア国家の政治・経済も支配するようになり、コカイン栽培が国家産業の一つにまで発展した。 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、1990年代から国家の重要な資金源として覚せい剤とアヘンの製造・密輸を行っている。 少量の生産販売で多額の利益が得られる事から、多くの国の反政府ゲリラや民兵組織が資金源として麻薬産業を保有する事が多い。また、同様の理由で、かつ、中央政府の支配力が及ばない事から貧しい農家が「究極の換金作物」として麻薬植物を栽培するケースも多く、アフガニスタンや内戦当時のレバノン・ベッカー高原などでは盛んに麻薬植物が栽培されている。 摂取方法麻薬の人体への摂取方法は、血液を経由して脳内へ薬物成分を送り込む方法がほとんどである。その手段として、そのまま飲む経口摂取のほか、舌下する、粉末状の麻薬を歯茎に塗布する、粉末状の麻薬を鼻孔へ吸引し鼻腔粘膜から吸収する、直腸粘膜から吸収する、性器粘膜から吸収する、喫煙する、蒸気を吸引する、注射器による静脈注射・筋肉注射、などがある。 経口摂取の場合、主に小腸から吸収され、肝臓で一旦解毒された後血液に混じるため、肝臓で分解される物質で直接脳内で作用させたい場合は、経口摂取以外の方法を採られる。 戦時中の麻薬覚せい剤は戦時中の日本軍やドイツ軍で、士気を高めるため兵士や特攻機の乗組員へ、また夜間の生産効率を上げるため軍事工場の従業員等に用いられたことがある。 アメリカがベトナム戦争当時、アメリカ軍兵士に対して士気を高めるためにコカイン摂取を極秘に認めていた。当時ベトナムに駐留していたアメリカ軍兵士の40%がコカイン摂取をしていたとされる。 種類
脚注
関連項目
参考文献
外部リンク |
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