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黄色(きいろ)は、基本色名の一つであり、色の三原色の一つである。ヒマワリの花弁のような色。英語では yellow であり、外来語のイエローはこれに由来する。暖色のひとつ。波長 570〜580nm の単色光は黄色であり、長波長側は橙色に、短波長側は黄緑色に近付く。緑と赤の中間の色。 現代日本語では一般に「黄色」(名詞)、「黄色い」(形容詞)と呼ぶ。これは小学校学習指導要領で使われ[1]、また母語として最初に学ぶ色名の一つである[2]。しかし JIS 基本色名やマンセル色体系における公式名称は黄色ではなく黄(き)である。複合語内の形態素としては、黄緑、黄身など、「黄」が少なくない。
物体色としての黄色印刷技術におけるイエロー
色料の三原色のひとつが yellow と取決められているため、イエローと呼ぶ場合、単に黄色の英語名というよりも色料の三原色の一つとしての黄色であることを指示することが多い。カラー印刷でのインク・トナーに使われる。通常、シアン (cyan)・マゼンタ (magenta)・ブラック (black) と共に使われ、CMYK と呼ばれる[3]。印刷技術の専門用語ではキと呼ぶこともある。ちなみに CMYK 値で表すと C=0 M=0 Y=100 K=0 となる。 ただし、現在の技術では「理想の」イエローのインク・トナーを作ることは少なくとも現行不可能であり、黄色のインクは理想的なイエローとは違う色をしている。 色材・色料における黄色JIS規格における黄色・イエロー
JIS では黄色およびイエローがそれぞれ定義されている。 この黄色とイエローはわずかに異なる色として示されている。 光としての黄色
光の三原色である赤 (#FF0000) と緑 (#00FF00) を一対一の割合で混合した色に該当し、RGB 値では ( R, G, B ) = ( 255, 255, 0 ) で表される。ウェブカラーで Yellow を指定すると、#FFFF00 と同等に扱われる。 これは、固有色名でいう檸檬色に近い。 また、LightYellow というコードも指定可能である。物体色の黄色には Gold が近い。 黄色の無機顔料色合いや耐光性、被覆力などの性能から有機顔料では代替できないものがある。毒性が強いものもある。セラミック顔料のプラセオジムイエローも黄色の無機顔料である。 黄土世界中で極めて古くから使用されてきた黄色顔料で、フランスやイギリスで良質のものが産出する。いわゆるシエナ土の組成は黄土とほとんど同じである。水和酸化鉄 Fe2O3・H2O を主たる発色成分とし、珪酸アルミを含有する。毒性のない黄色無機顔料として知られ、有機顔料が使用できない用途では多く使用されている。 石黄 Orpiment詳細は石黄を参照 黄を呈する硫化ヒ素で、各地に産するが毒性があり、その供給に限りがあり今日では顧みられない。純度の高いものは、輝きのある冴えたレモン色を呈する。古画にあっては、荒粒で用いられ、現在でも豊かな黄色を保っている。しばしば、近い関係にあるリアルガーを含んでいる。プリニウスやヴィトルヴィウスが言及している、古典時代に使用された顔料である。ド・ヴィルトの調査によれば、オランダ及びフランドルの絵画には一例も使用が無い。これは錫 - 鉛 - 黄の登場によって、不要になったからだと考えられている。 錫 - 鉛 - 黄14世紀においても僅かに使用されたが、15-17世紀に使用された顔料である。17世紀のナポリ黄の出現により忘却され、かつては、ナポリ黄と混同されていた。1940年デルナー研究所のヤコビ博士のスペクトル分析によって再発見されるまで、様々な文献にも現れない。隠蔽力に優れ、油性媒材、水性媒材ともなじむ。 密陀僧 Massicot密陀僧・マシコット、金密陀・リサージ(litharge)は共に黄色を呈する一酸化鉛の呼称である。塩基性炭酸鉛を長時間高温で加熱すると黄色の一酸化鉛が得られる。かつてはヨーロッパ絵画に使用されたと言われているが、分光反射率を調べると 錫 - 鉛 - 黄である。日本においては法隆寺壁画に使用された。密陀僧は唐から密陀僧が伝わり乾燥促進剤として使用された。 ナポリ黄主成分はアンチモン酸鉛。イタリアのベスビオス火山で得られたとされる。絵具のネープルスイエローは、名前として残る。但しセラミック顔料のネープルスイエローは本物のアンチモン酸鉛が使用されている。 クロム酸系黄黄鉛、バリウムクロメート、ストロンチウムクロメート、ジンククロメート等がある。六価クロムを含むため毒性が強く、また耐光性に弱い上硫化水素により黒変するといった欠点がある。クロム酸系黄のうち黄鉛とジンククロメートは 2000 年頃までは錆止め塗料や黄色塗料に大量に使われていたが、毒性や環境問題から使用が制限されてきている。例えば自動車用塗料では既に鉛や六価クロムを含む顔料はほとんど使用されていない(日本自動車工業会 JAMAGAZINE より)。また日本塗料工業会でも自主規格 JPMS 26 を設け、塗料中の鉛を減らすように動いている。 バリウム黄バリウム黄はクロム酸バリウムで、淡緑黄の顔料でクロム酸カリウムと塩化バリウムの溶液から作る。塩化バリウムが塩化ストロンチウムに置き換わる以外は、ストロンチウム黄と同じ製法である。1809年ヴォークランはクロム酸バリウムの製法を発表したが、これはこの顔料の最初の記録である。バライタイエロー。ストロンシャンイエロー、レモンイエローとも言われる。 ストロンチウム黄ストロンチウムクロメートも参照 淡緑黄の顔料でクロム酸カリウムと塩化ストロンチウムの溶液から作る。塩化ストロンチウムが塩化バリウムに置き換わる以外は、バリウム黄と同じ製法である。ウルトラマリンイエローの名称ももつがウルトラマリンとは無関係。クロム酸ストロンチウム。ストロンシャンイエロー、レモンイエローとも言われる。 黄鉛 Chrome Yellow黄鉛も参照 黄鉛・クロム黄[4]はクロム酸鉛を主成分とする。L.N.ヴォークランは、回想録の 1909 年においてクロム酸鉛の製法および性質を記している。かつて塗料に大量に使用されていたが最近は毒性を考慮して使用が減少している。黒変する。ジャック=ルイ・ダヴィッドは、この顔料のパレットへの採用に関して保守的だった。フィンセント・ファン・ゴッホがよく使用したことも知られている。ゴッホの黄色が独特の色合いをしているのは、黄鉛が黒変する為であり、必ずしも彼の色彩感覚が独創的だったことを意味しない。 亜鉛黄詳細はジンククロメートを参照 クロム酸亜鉛、クロム酸カリ亜鉛、塩基性クロム酸亜鉛による顔料などを亜鉛黄と呼称する。ジンクイエロー。レモンイエローとも言われる。 カドミウム黄詳細はカドミウムイエローを参照 組成は硫化カドミウム(Colour Index Generic Name Pigment Yellow 37)もしくは硫化カドミウム-硫化亜鉛(Colour Index Generic Name Pigment Yellow 35)である。Colour Index Generic Nameからはカドモポン黄であるか否かは判別できない。ただし欧米では、カドミウム黄でも毒性の高いPigment Yellow 37ではなく、Pigment Yellow 37よりは毒性が弱いPigment Yellow 35に代替されている。淡色は淡色のビスマスバナジウム黄にも似た色合いであるが、濃色のカドミウム黄は濃色のビスマスバナジウム黄では到底及ばない、高彩度で不透明性の高い無機顔料である。堅牢性は複合酸化物による黄色顔料のほうが高いが、色合いではカドミウム黄が優れる。有毒で高価なため今日では油絵具や水彩絵具を除いてほとんど使われない。他方、絵具においては、先述の性質から人気が高く、カドミウム黄の優れた特性を全面的に具えた代替物は存在しない[5]。したがって、代替顔料はカドミウム顔料が持つ優れた特性を必要としない場合にこそ勧められる。また、世間ではカドミウム化合物が環境に及ぼす影響を懸念する声が一部存在するが、絵具メーカーが使用するカドミウム顔料は、実用において他の物質に溶け出すことは無い。 コバルト黄含水亜硝酸第二コバルトカリである。彩度が高く堅牢で、黄色の無機顔料の中で唯一、透明である。耐光性はあまり高くない。オーレオリンの名前で絵具として使用されている。ただし、コバルト黄によらない「オーレオリン」も存在する。このように、絵具名から顔料の組成は即断できない。 チタン系黄チタン系顔料の黄は、下掲のものが知られている。
黄色の有機顔料一般工業製品や学校で使われる絵具類には、しばしば毒性の少ない有機顔料が使用される。但し一般印刷に使用されている安価な製品は安価な赤と同様紫外線に弱いため、数箇月屋外に掲示されたポスターなどは赤と黄色が退色し、青に見える。なお、レーキ型の有機顔料は、黄色の有機染料を体質顔料に定着させたものである。 藤黄 Gamboge黄色のガム樹脂で、東アジアでは数百年以上昔から絵具として使用された。主としてインド、中国、タイ等に自生するマンゴスチン科の各種樹木から採取される。ヨーロッパでは古くから商品として伝えられており、初期フランドル絵画に使用されたとも言われる。主として水性絵具、揮発性ニス (varnish)、金属ラッカーの用途がある。草雌黄とも言う。 アゾ系黄アゾ基を有する化合物で、顔料としては顔料色素型とレーキ顔料型がある。顔料色素型のモノアゾ系黄色顔料の種類は多いが概して耐溶剤性に劣る。ただし高分子化するにつれ耐溶剤性は高まる。レーキ顔料型は鮮明な色相を有し耐溶剤性も有する。一般印刷用インキや塗料、安価な絵具等に使われている。縮合アゾ顔料は従来の不溶性アゾ顔料に比べ、耐光性、耐溶剤性などは高まっているが、製造コストが高い。Color Index には Colour Index Generic Name Pigment Yellow 3、Colour Index Generic Name Pigment Yellow 83 等が記載されている。 ピラゾロン系黄ピラゾロン系黄は赤味の強い黄色系統の顔料である。Colour Index Generic Name PigmentOrange 13、Colour Index Generic Name Pigment Orange 34 がよく使用される。レーキ型ピラゾロン系黄色顔料として、タートラジンイエローがある。色合いは美しいが耐光性に難がある。そのため、あまり普及していない。 キノフタロン系黄キノフタロン系黄は 1968 年に開発された。フタロシアニン顔料に匹敵する高い堅牢性を具える。高価であるため、あまり普及していない。Colour Index には Colour Index Generic Name Pigment Yellow 138 が記載されている。 フラバトロン系黄フラバトロン系黄は、1901 年に開発された。260℃まで安定である耐熱性、希釈時の耐光性が際立っている。色数が乏しく高価であり、用途は限定的である。現在は製造中止。Colour Index には Colour Index Generic Name Pigment Yellow 24 が記載されている。 黄色の染料キハダキハダ(黄檗)は「黄肌」という意味で、ミカン科の植物である。5から6月頃黄緑の花をつける。樹皮の内側は黄色であり苦味がある。樹皮は染色に使用される。樹皮の薬用名は黄檗(オウバク)であり、健胃剤や火傷の薬である。なおキハダで染色する場合は媒染剤を用いず直接染料として用いる。 カリヤスカリヤス(刈安)はイネ科の植物である。灰汁を媒染剤に用いる。 ウコンウコンはショウガ科の植物である。地下茎を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。香辛料・食品用の天然着色料としても用いられる。 オウレンオウレンはキンポウゲ科の植物である。根を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。 クチナシクチナシはアカネ科の植物である。果実を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。食品用の天然着色料としても用いられるが、天然着色料として用いる場合は黄色から緑、青にかけての幅広い色調をカヴァーする。 ズミズミはバラ科の植物である。樹皮を黄色の染料として用いる。ミョウバンを媒染剤に用いる。煎餅の着色にも用いられる。 ハイノキハイノキはハイノキ科の植物である。葉を黄色の染料として用いる。灰汁を媒染剤に用いる。 メギメギはメギ科の植物である。樹皮を黄色の染料として用いる。媒染剤不要の直接染料。 黄色合成染料石油から合成される黄色の染料で、代表的なものとしてアゾ系の黄色染料やピラゾロン系の黄色染料が挙げられる。なおこれらの黄色合成染料はレーキ化することによって黄色の有機顔料としても用いられる。レーキ型アゾ系黄色顔料やレーキ型ピラゾロン系黄色顔料はアゾ系黄色染料やピラゾロン系黄色染料をレーキ化して顔料としたものである。 黄色に関する事項警戒色としての黄色黄色は視認性の高い色で、特に黒との組み合わせは非常に目立つコントラストとなる。この「黄色と黒」の組み合わせを一般に「警戒色」と呼び、交通標識や工事現場、各種工場で多用される。警戒色としての黄色と黒の組み合わせは、太陽の色である黄色と、闇夜の色である黒を組み合わせる事で、視認性を高めている。 日本海海戦のロシア艦隊は、煙突を黄色と黒に塗り分けており、日本艦隊にとって視認しやすかったと言われている。また、蜂と虎の体色も、黄色と黒の組み合わせ(縦縞)であることが多い。これは、蜂は毒針で刺す能力を持つ自分を、虎は咬み殺す能力を持つ自分を、視覚的に他の動物に印象づけることで、外の動物が避けてくれるようになる効果を持つと言われており、これを生物学の分野でも「警戒色」といい、俗に「虎マーク」とも呼ばれている。 このように、黄色は暗い所でかなり目立つ色なので、交通安全には必需の色であると言える。特に小学生が登下校時に被る通学帽(黄色い帽子)や、幼稚園児の通園かばんや、児童用の雨傘には、黄色一色が用いられることが多い(かつては珠算塾の通塾バックにも黄色が多く使われていた)。また、合羽やヘルメットにも、黄色一色が用いられることも多い。 スポーツ界でも、「黄色と黒」の組み合わせを用いるチームもあり、(1) 黄色と黒の縦縞とするパターンや、(2) 上半身が黄色で下半身が黒のパターン、の2通りがある。 それ以外の黄色
黄色およびイエローを含む言葉
近似色関連項目
脚注
参考文献
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